サルトルの名言45選!「人はサイコロと同じで自らを人生へと投げ込む」の意味や実存主義の名言も解説
ジャン=ポール・サルトル(1905-1980)は、フランス・パリ生まれの哲学者・作家。「実存は本質に先立つ」という命題を中心とした実存主義を提唱し、20世紀の思想界に絶大な影響を与えた。1964年にノーベル文学賞を拒否した唯一の人物としても知られる。生涯の伴侶シモーヌ・ド・ボーヴォワールとの自由な関係も時代を超えて語り継がれている。
「人はサイコロと同じで、自らを人生へと投げ込む」——サルトルの言葉は、神や運命に頼ることなく、人間が自らの選択と行動によって自己を定義するという実存主義の核心を鮮やかに表している。その言葉は今も多くの人が人生に向き合う力を与え続けている。
サルトルの生涯
| カテゴリ | 詳細 |
|---|---|
| 本名 | ジャン=ポール・サルトル |
| 生年月日 | 1905年6月21日 |
| 出生地 | フランス、パリ |
| 教育 | パリの高等師範学校卒業 |
| 職歴 | 教師、作家、哲学者 |
| 主な著作 | 『嘔吐』(1938年)、『存在と無』(1943年) |
| その他の業績 | 実存主義の提唱、ノーベル文学賞受賞(1964年、辞退) |
| 死去 | 1980年4月15日、パリ |
ジャン=ポール・サルトルは、1905年6月21日にフランスのパリで生まれ、彼は2歳で父を亡くし、母方の祖父に引き取られました。祖父はドイツ語の教授であり、幼いサルトルは非常に高い水準の教育を受けられましたが、一方でサルトルは3歳の頃に右目の視力をほぼ失い、以降の人生を極度の斜視として過ごすことになりました。1924年、19歳でパリの高等師範学校に入学し、生涯の伴侶となるシモーヌ・ド・ボーヴォワールと出会いました。彼らは互いに恋人を作ったり、愛人とセックスをしたりという性的な自由を見止めつつ、しかし生涯の伴侶として50年以上を連れ添うことになりました。1938年に小説作品『嘔吐』を発表して名声を得ました。彼は「実存主義」という思想を唱えたことで知られています。その後、カミュ=サルトル論争や、戦争体験に基づく左派としての活動、ノーベル文学賞の拒否などの多くのエピソードを残しました。しかし1973年ごろには両眼を完全に失明し、ほとんどの活動を制限。そして1980年、肺水腫によってサルトルは74年の生涯を閉じました。彼の葬儀にはおよそ5万人が訪れ、さながら国葬のようだったという記録が伝わっています。
サルトルの思想とその影響
サルトルは意識、あるいは人間が自らに先立って決定されているものにただ従うのではなく、自らの意味を自分の自身で規定していくことを目指したものだと言えます。そして、サルトルは、この思想を「実存主義」と呼びました。彼の思想は、特に1950年代の構造主義の台頭によってサルトルの実存主義が論破されたことにより、サルトルは過去の人というレッテルを張られ、急速にその名声を失っていった。だがサルトルの思想は現在の私たちにも影響を与えている。むしろ現在その思想は見直されているのである。インターネットでつながって、他人との比較の中で日々苦しみながら生きる現代人にとって大切な何かを教えてくれている。
ノーベル賞拒否のエピソード
ジャン=ポール・サルトルは1964年にノーベル文学賞を辞退しました。彼はスウェーデンのメディアに送ったコメントの中で、辞退はパフォーマンスでもなければ、衝動的に行ったわけでもない、と述べています。彼の長きにわたる主張に沿った行動として辞退したのだ、と主張しました。サルトルは、世界で最も権威ある文学賞を自ら辞退した唯一の人物で、1945年の仏最高勲章レジオン・ドヌールも辞退しています。後の説明では、「公的な賞はどれも辞退してきた」と述べ、その理由として独立性の制限などを挙げています。ノーベル賞をめぐっては、辞退を要請するサルトルの書簡が間に合わなかったのではないかとの憶測はあったが、今回の資料開示でその臆測が初めて裏付けられました。同紙によると、候補者として数年間名前が挙がり続けていたサルトルは、1964年10月14日にノーベル財団宛に書簡を送り、「今年も今後も」同賞を受け取ることはできないだろうと伝えているという。
名言「人はサイコロと同じで、自らを人生へと投げ込む」
先ほど紹介したように、ジャン=ポール・サルトルはフランスの哲学者で、実存主義の提唱者として知られています。彼の名言「人はサイコロと同じで、自らを人生へと投げ込む」は、彼の実存主義の思想を象徴するものです。この名言は、人間の自由と選択、そしてその結果に対する責任を強調しています。サルトルは、人間が自分自身の運命を決定するためには、自分自身を未知の未来へと投げ込む必要があると考えていました。これはサイコロを振る行為に例えられます。サイコロを振るとき、その結果は完全に予測不可能で、それは人生の不確定性を象徴しています。しかし、サルトルは、この不確定性を恐れるべきではないと主張します。それどころか、この不確定性こそが人間の自由を可能にすると彼は考えていました。つまり、人間は自分自身の選択によって自分自身を定義し、その結果に対して責任を持つべきだとサルトルは説いています。
あらすじ
ジャンル:実在主義内容:1938年に出版されたこの小説は、主人公アントワーヌ・ロカンタンの日記形式で物語が展開します。30歳になったロカンタンは、彼自身が好んだ研究から愛する女性との関係、紙くずから小石に至るまであらゆるものからの正体不明の嫌悪感に苦しめられる様子とその理由についてが大筋となっています。
名言
解説:この言葉は、主人公ロカンタンが「存在」そのものに対して抱く不安と不条理感を示しています。人はそこに「いる」だけで、特に明確な理由や意味が与えられているわけではないという、実存主義の根本的な考え方が表れています。サルトルは、人間の存在は無意味であり、あらかじめ決められた目的や価値がない以上、自分の行動や選択に責任を持ち、そこに意味を見出すのは自分自身だと示しています。この無意味さを受け入れることが、真の自由を得るための第一歩だと考えています。
解説:この有名な言葉は、人間関係における「他者の視線」による不自由さや苦悩を示しています。サルトルは、他者の存在が自己の自由を制限し、他者の視線が自分の行動や自己イメージに影響を与えるため、人は他者の目を通して自己を否定的に捉えることがあると主張しました。この「他人という地獄」の概念は、他者の目に映る自分に縛られない生き方を模索する重要性を教えてくれます。つまり、他者との関係の中で自由を失わず、自らの存在を肯定することの難しさがここに表れています。
解説:サルトルは、自由と責任が密接に関わっていると考えていました。この名言では、誰にも制約されず自ら選択する自由がある一方で、その選択の結果もすべて引き受けなければならないという重い責任が伴うと語っています。この「無限の自由」は一見解放的に思えますが、それは同時に重い負担を意味します。人間は自分自身の選択と行動で人生を形作り、他者や環境のせいにすることなく、その結果に責任を持つべきだとサルトルは主張しています。
実存・自由・自己定義の哲学

"人はサイコロと同じで、自らを人生へと投げ込む"
出典:サルトルの講演・著作. 人間は不確実な未来に自らを投げ込むことで初めて生きていると言えるという、実存主義の勇気を語った言葉。
"人間は自らの行動の中で、自らを定義する。"
出典:「実存主義はヒューマニズムである」(1945年). 人間の本質は行動によって後天的に作られるというサルトル実存主義の根本命題。
"実在は本質に先立ち、それを規定する。"
出典:「存在と無」(1943年). サルトル実存主義の核心命題。人間はまず存在し、その後に自らの本質を作るという思想。
"人は自由であることを運命づけられている。なぜなら、いったんこの世に投げ込まれると、人は自分の行動のすべてに責任を負わなければならないからだ。"
出典:「存在と無」(1943年). 自由は解放であると同時に、逃れられない責任の重さでもあるというサルトルの逆説的な自由論。
"人間は、時には自由であったり時には奴隷であったりすることはできないであろう。人間は常に全面的に自由であるか、あるいは常に全面的に自由でないか、そのいずれかである。"
出典:「存在と無」(1943年). 自由は程度の問題ではなく、全的か非全的かの二択であるというサルトルの根本的自由論。
"われわれの自由とは、今日、自由になるために戦う自由な選択以外のなにものでもない。"
出典:サルトルの著作・講演. 自由は与えられるものではなく、自ら選択し戦い取るものであるという思想。
"私は存在するが、私には存在の理由がない。"
出典:「嘔吐」(1938年). 主人公ロカンタンの言葉。あらかじめ与えられた意味や目的なしに存在する人間の不条理を示した言葉。
他者・人間関係・社会への洞察

"他人とは、地獄である。"
出典:戯曲「出口なし」(1944年). 他者の視線が自己の自由を縛るという、サルトル最も有名な言葉。ただし文脈では他者との関係なしに自己も存在しないという逆説も含む。
"一人でいるときに孤独を感じるのなら、あなたは悪い仲間と付き合っているということだ。"
出典:サルトルの言葉として伝わる格言. 自己との関係が健全でなければ、他者との関係も充実しないという逆説的な洞察。
"ボートを漕がない人間だけが、ボートを揺らして波風を立てる時間がある。"
出典:サルトルの言葉として伝わる格言. 実際に行動せず批判ばかりしている人間への皮肉な洞察。
"金持ちが戦争を起こし、貧乏人が死ぬ。"
出典:サルトルの講演・著作. 左派知識人として戦争と権力構造の不条理を端的に指摘した言葉。
"いかなる人間でも生きながら神格化されるには値しない。"
出典:サルトルの言葉として伝わる格言. ノーベル賞を拒否した精神と同根の、権威・偶像化への徹底した反対の姿勢。
責任・行動・人生への向き合い方

"人間は自由であり、つねに自分自身の選択によって行動すべきものである。"
出典:「実存主義はヒューマニズムである」(1945年). 他者や環境に選択を委ねず、自ら決断して行動することの重要性を説いた言葉。
"人は自らの本質と選択に全責任を負う。"
出典:サルトルの著作・講演. 自由と表裏一体の責任の重さを説いた言葉。言い訳を許さない厳しい自己責任論。
"悲しむことはない。いまの状態で何ができるかを考えて、ベストを尽くすことだ。"
出典:サルトルの言葉として伝わる格言. 過去や現状を嘆くのではなく、今できることに集中せよという実践的な言葉。
"人間は現在もっているものの総和ではなく、彼がまだもっていないもの、これからもちうるものの合計である。"
出典:「弁証法的理性批判」(1960年). 人間は過去の蓄積ではなく、未来の可能性によって定義されるという前向きな人間観。
"人間の運命は人間の手中にある。"
出典:サルトルの講演・著作. 神や運命に委ねず、人間が自らの未来を切り開くべきであるという実存主義の根本的立場。
"人生は絶望の反対側で始まる。"
出典:サルトルの著作・講演. 絶望の淵に立ったとき、初めて真の生が始まるという逆説的な希望の言葉。
"ひとは各々の道を創り出さなくてはいけない。"
出典:サルトルの著作・講演. 与えられた道を歩むのではなく、自ら道を切り開くことが人間の責務だという言葉。
言葉・知・批判の哲学

"言葉とは、弾丸が装填されたピストルである。"
出典:「文学とは何か」(1948年). 言葉は人を傷つける武器にも、解放する力にもなるという言語の力と責任についての言葉。
"批評家とは、他人の思想について思考する人間である。"
出典:サルトルの言葉として伝わる格言. 批評家は創造せず他者の思想を評価するだけという批判的な定義。
"まず第一に理解しなければならないことは、自分が理解していないということである。"
出典:サルトルの言葉として伝わる格言. 知の入り口は自分の無知を知ることにあるというソクラテスの無知の知と響き合う言葉。
"すべての答えは出ている。どう生きるかということを除いて。"
出典:サルトルの著作・講演. 「どう生きるか」という問いは永遠に答えが出ないのではなく、答えは自ら行動の中で作るものだという逆説。
"約束とは言葉ではない。行動なのだ。"
出典:サルトルの言葉として伝わる格言. サルトルの行動重視の哲学を端的に示した言葉。実存主義は行動してこそ意味を持つ。
"利害を越えた究極の目的を人と共有する時、初めて心のままに生きることができる。"
出典:サン=テグジュペリ. 個人の自由が他者と共有された目的の中で初めて解放されるという、サルトルが語る真の連帯の形。
"人間は状況によってつくられる。"
出典:サルトルの著作・講演. 人は環境や状況から完全に自由ではなく、状況との相互作用の中で形成されるという弁証法的な人間観。
"生きることと書くことを、作家は一つにすべきだ。"
出典:「文学とは何か」(1948年). 書くことは生きることから切り離せないという、サルトルのアンガジュマン(社会参加)文学論の根幹。
サルトルの実存主義と自由の名言
"自由とは、選択する能力のことだ"
出典:「存在と無」。自由の本質を選択に見出したサルトルの定義。
"人間は自由の刑に処せられている"
出典:「実存主義とは何か」。自由が避けられない宿命であるという逆説。
"行動の中でのみ、人間は自分自身を知る"
出典:「存在と無」。行動こそが自己理解の唯一の方法だという教え。
"未来は作られるものであり、見つけられるものではない"
出典:サルトルの講演。未来は発見ではなく創造するものだという実存主義的な主張。
"他人の目は、私にとっての地獄だ"
出典:戯曲「出口なし」。他者の視線が自由を制約するという人間関係の本質。
"人間はまず存在し、それから自分自身を定義する"
出典:「実存主義とは何か」。実存は本質に先立つという実存主義の核心。
"選ばないことも、一つの選択である"
出典:「存在と無」。不作為もまた自由な選択であるという指摘。
"あらゆる状況において、人間には選択の自由がある"
出典:サルトルの講演。どんな状況でも人間は自由であるという絶対的な自由観。
サルトル 人生哲学の言葉
"言葉は行為である"
出典:「文学とは何か」。言葉を発すること自体が行為であるという言語哲学。
"人間が恐れるべきは死ではなく、生きながら死ぬことだ"
出典:サルトルの随筆。生きているのに生きていない状態への警告。
"真の知識人とは、権力に対して真実を語る者だ"
出典:サルトルの評論。知識人の社会的責任を定義した言葉。
"過去は変えられない。しかし過去の意味は変えられる"
出典:「存在と無」。過去の出来事の解釈は自由に変えられるという洞察。
"コミットメント(参加)なき知性は無意味だ"
出典:サルトルの政治論。社会参加を伴わない知的活動の限界を指摘。
"嘘つきは自分に嘘をつく者だ。他人に嘘をつくのは詐欺師だ"
出典:サルトルの言葉。自己欺瞞と詐欺の区別を明確にした言葉。
"希望とは、絶望の中から生まれるものだ"
出典:サルトルのインタビュー。絶望を経てこそ真の希望が生まれるという実存的洞察。
"私は自分の行為の総和である"
出典:「実存主義とは何か」。人間は行動の積み重ねによって定義されるという実存主義的人間観。
サルトルについてよくある質問
Q1. サルトルの「サイコロ」の名言の意味は?
サルトルの「人はサイコロと同じで、自らを人生へと投げ込む」とは、人間は自分の意志で人生に飛び込み、その結果を引き受けるという実存主義的な考え方を表しています。サイコロが一度投げられたら結果を受け入れるしかないように、人間も選択をしたらその結果に責任を持つ必要があるという意味です。
Q2. サルトルの「他人は地獄だ」の意味は?
「他人とは地獄である(L'enfer, c'est les autres)」は戯曲「出口なし」のラストの台詞です。他人の目線・判断が自分を縛り、自由を奪う存在になりうることを表現しています。他人を完全に排除することはできないため、他者との関係の中で自己を確立する苦悩が「地獄」と表現されています。
Q3. サルトルはどんな人物?
ジャン=ポール・サルトル(1905年-1980年)はフランスの哲学者・作家で、実存主義の代表的な思想家です。「存在と無」「嘔吐」「出口なし」などの作品で知られ、1964年にノーベル文学賞に選ばれましたが辞退しました。パートナーのシモーヌ・ド・ボーヴォワールとの関係も有名です。
Q4. 実存主義の名言で有名なものは?
実存主義の名言としてはサルトルの「実存は本質に先立つ」「人間は自由の刑に処せられている」、キルケゴールの「人生は後ろ向きにしか理解できないが、前向きにしか生きられない」、ニーチェの「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている」が有名です。
Q5. サルトルはなぜノーベル賞を辞退したのか?
サルトルは1964年のノーベル文学賞を「いかなる人間も、生きながらにして神格化されるべきではない」「作家は制度化されることを拒否すべきだ」という理由で辞退しました。既存の権威や制度に取り込まれることを拒む、サルトルの知識人としての信念の表れでした。
Q6. サルトルの名言を座右の銘にするなら?
サルトルの名言を座右の銘にするなら「人間はまず存在し、それから自分自身を定義する」が自分の人生を主体的に生きたい人に最適です。また「人はサイコロと同じで、自らを人生へと投げ込む」は新しい挑戦に踏み出す勇気を与えてくれる言葉として人気です。
よくある質問
サルトルの最も有名な名言は?
本記事で紹介している代表的な名言の一つが「人はサイコロと同じで、自らを人生へと投げ込む」です。サルトルの人生哲学を端的に表す言葉として読者に親しまれており、その背景には本人の経験や思想が色濃く反映されています。
サルトルはどんな人物ですか?
ジャン=ポール・サルトル(1905-1980)は、フランス・パリ生まれの哲学者・作家。「実存は本質に先立つ」という命題を中心とした実存主義を提唱し、20世紀の思想界に絶大な影響を与えた。
サルトルの名言の特徴は?
「人間は自らの行動の中で、自らを定義する。」のように、人間や人生への深い洞察を表す言葉が数多く残されています。本記事には43を超える名言を収録しており、いずれもサルトルの生き様や信念を反映した重みのある言葉ばかりです。
サルトルの名言から何が学べますか?
「実在は本質に先立ち、それを規定する。」のような言葉から、困難に立ち向かう姿勢や人生に対する向き合い方を学ぶことができます。サルトルの言葉は、自分の生き方を見つめ直したいときや、新たな一歩を踏み出したいときの指針として多くの人の心の支えになっています。